活字離れしているのは子供?それとも大人?

Vol. 121
 活字離れしているのは子供?それとも大人?

子供の活字離れが深刻になったと警鐘が鳴らされてずいぶんたつが、意外にも学校読書調査(全国学校図書館協議会)によれば、小学生は2012年の5月において、平均で10.5冊の本を読んでいる。1冊も読まないのは4.5%と非常に少ない。

その一方で、文化庁の2008年の発表では、3,480人を対象にした調査によると、16歳以上は46%が1ヵ月に1冊も本を読まない。1、2冊という答えを足し合わせると実に8割になり、大人の活字離れは相当なものだ。だが、大人の場合には新聞を読むことも多く、雑誌などで情報を得る機会も子供よりは多いと考えられるため、読書という点では少ないのかもしれない。

娯楽の多様化で、読書に割く時間が惜しまれるのは、今の時代、大人も子供も一緒である。子供ばかりに活字離れを押しつけるのは、もはやナンセンスだと子供にいわれてしまっても返す言葉がないのである。