ドライアイスって原料は何だろう?

Vol. 122
 ドライアイスって原料は何だろう?

まるで氷のようだが、溶けても水にならずに跡形もなく消えてしまうドライアイスは、ケーキや生ものを輸送する際に欠かせない。このドライアイスだが、−80℃にもなる超低温であるため、直接触ると凍傷(やけどという場合もある)を起こす。

歌番組などでは、ステージに煙幕のような演出を出すために使用されることもあるが、白い煙の正体は実は空気中の水分が凍ったものだ。あまりに瞬間冷却になるため、水にならずに凍って白く見えるというカラクリである。

ドライアイスは家庭で作れるものではなく、原料の二酸化炭素を加圧し液状にしてから生産される。この時点でも冷やされており、更に冷やして凝固させるためには、大気中に放出して気化熱を利用する。気化熱というのは液体が気体になる時に必要とする熱のことで、液体から全てが気体に変わるのではなく一部が凍って粉末状に変わるのだ。

この粉末を固めてドライアイスとするので、意外にその生成工程はコストが掛かる。そして−80℃で気体になるという性質上、家庭で保存するのは事実上不可能なのである。