Vol. 123
木の幹はどこの部分が成長して太くなるの?
木は成長するとだんだんと幹が太くなるが、内側が太くなるのか外が太くなるのか疑問に思うところだ。木を水平に切った切株には年輪があって、それが木の成長記録にもなっており、年輪は木の幹が太くなるのと密接な関係を持つ。
幹の表面は樹皮で、その少し内側に形成層という成長する部分がある。更に内側には木質部と呼ばれる木材になる部分があり、形成層は内側に木質部を、外側の樹皮との間に師部と呼ばれる養分の通り道を作る。つまり、木の幹は外側から成長していくのである。
四季による気候の違いは、木の成長にも影響を与え、春から夏は大きい細胞が作られ早材(春材)と呼ばれる。夏から秋にかけては小さい細胞が作られ晩材(秋材)と呼ばれる。そして冬は成長を止めるサイクルで1年を終える。早材は密度が小さいので色が薄くなり、晩材は密度が大きいので色が濃くなる。
四季には明確に境がないので、早材から晩材への移行は徐々に行われ、年輪でみるとグラデーションが掛かったように色が徐々に濃くなっていく。色が濃いまま成長を止めて春を迎え、成長が始まると色の薄い早材から始まるために、濃い色が輪になった年輪ができあがるのである。