風呂吹き大根の語源・由来

Vol. 124
 風呂吹き大根の語源・由来

多くの大根料理の中で、風呂吹き大根は単純な料理ながら味わいも深く、おでんと並んで人気の一品となっている。甘味(砂糖など)や香味(ゆずなど)などと練った味噌を付けて食べるのだが、うまい酒を飲みながら食べる風呂吹き大根は、特に父親世代に人気が高い。

そんな風呂吹き大根の由来には有力な説が2つある。

1つは風呂吹きという職業があり、これは簡単に言えば垢こすりの専門職だが、客の熱くなった体に息を吹きかけながら垢をこする様子が、熱い風呂吹き大根を食べるときの様子に似ているという説。もう1つは、漆器の乾燥室である風呂に適度な湿気を与えるため、大根の茹で汁を吹いて使ったが、残りの大根は使い道がないので配ったところ、美味しいと評判になって呼ばれたという説である。