日本の食料の廃棄量は年間1900万トン

Vol. 125
 日本の食料の廃棄量は年間1900万トン

世界の途上国には、十分な食料を得られずに飢えに苦しんでいる人が9億人はいるといわれている。そして世界中に援助される食物の総量は約600万トンという数字がある。

そして我が国日本は、世界有数の輸入国家であり、消費大国でもあって、年間に1900万トンは食糧が廃棄されている。単純に計算すれば3倍強だが、実質的な数字は4倍程度に膨らむと考えられている。

この1900万トンという数字は、農林水産省の推計によるが、あくまでも食用農林水産物がベースになっている。他に何が?と思うかもしれないが、食料とされないで廃棄される農林水産物が意外と多いことは、少し考えれば誰もが知っているはずだ。

例えば、野菜や魚などの生鮮物は、その価格が需要と供給のバランスで成り立っている。需要が多く供給が少ない時期は、野菜の値段が倍くらいになってしまう。しかし、供給過多の状況になると、出荷するコストのほうが高くなり、農家は野菜を収穫せずに潰しているのだ。

また、果物は木から落ちると出荷できないし、魚は一定のサイズを超えないと捨てられる。こうした流通に乗らない食料の廃棄を含めると、日本は食糧援助の4倍を廃棄していると考えても不思議ではないのである。