「霞が関」にあるのはなぜ「霞ヶ関駅」?

Vol. 133
 「霞が関」にあるのはなぜ「霞ヶ関駅」?

駅名と地名が異なる例は、全国中にいくらでもあり、数え上げるのが難しいほどである。その中でも更に、駅名と地名が同じ読みなのに違う表記をしている例も多数あって、どちらも混乱を招くので何とかしてほしいところだ。

霞が関と霞ヶ関駅の違いも、初めて訪れると多少は混乱する。なぜこのような面倒なことになっているかというと、駅名が当時の地名で決まった後に、住居表示に関する法律によって住居表示が変わってしまったり、市町村の合併で地名が変更されてしまうことに起因している。

住居表示に関する法律は1962年に施行され、表記をわかりやすくする目的もあったので、「ヶ」「ヵ」のような表記は地名から多く失われた。駅名に「ヶ」「ヵ」が多いのはそのためで、霞ヶ関は1967年に霞が関へと地名が変更されている。

住所に併せて駅名も変えるとすると、慣習的に使っている駅名が隣の街の駅名になってしまったり、駅名にまつわる全ての物を変えなくてはならないので、そのコストと混乱が収まるまでの期間を考えると踏み切れない。ましてや市町村合併など今後も起こり得るため、その度にコロコロと駅名が変わっては困るのである。