ドライクリーニングの仕組み

Vol. 144
 ドライクリーニングの仕組み

家庭において洗濯は水を使うものと決まっているが、水と洗剤だけで全ての汚れを落とすには無理があって、なかなか落ちにくい汚れも存在する。そうしたときに利用するのがドライクリーニングで、家庭では落とせない汚れもドライクリーニングなら落ちる可能性がある。

ドライクリーニングのドライは一般的に乾燥を意味しても、ドライクリーニングでは意味が異なる。家庭の洗濯と違ってドライクリーニングは水を使わないことからドライクリーニングと呼ばれている。

ドライクリーニングでは水の代わりに有機溶媒を使う。有機溶媒でピンと来なければ、シンナーや除光液のようなものだと思ってそれほど間違っていないので、水を使わないという点がポイントだ。

汚れには水溶性と油溶性があり、台所でも洗濯でも油汚れを落とすために洗剤を使う。しかしドライクリーニングは、極端な話をすれば油に油汚れを溶かして落とすと考えると良い。そのため家庭では実現できず、専門店が存在するのである。

油汚れを落とすドライクリーニングは、水溶性の汚れを落とせないという弱点があるので、専用の洗剤と僅かな水によって水溶性の汚れを落とし、それから油汚れを落とすことで総合的な高い洗浄力を発揮している。