新幹線の先っぽ(頭)がとがっているのは空気抵抗を減らすため

Vol. 145
 新幹線の先っぽ(頭)がとがっているのは空気抵抗を減らすため

新幹線はこれまで先頭車両の形状がどんどん変わってきた。もちろん時代が進むにつれて技術革新もあり、最高速度が上がったことで空気抵抗をより軽減しようとする試みであるのは間違いない。だがそれ以外にも理由があるとしたら何だろうか。

1つは、高速で走ることに対しての騒音である。空気を切り裂いて走る抜ける新幹線には、常に騒音問題が付きまとう。列車で騒音というとレールと車輪によって発生しているように感じるが、新幹線ともなれば空気抵抗だけでも騒音が目立ってしまうのだ。

もう1つは、トンネルへの突入時と脱出時の影響である。トンネル突入時は、新幹線によって押された空気が、トンネルの出口まで逃げ場のない状況が続き(最近のトンネルでは空気を逃がす設計がされている)、トンネルの出口で放出されると衝撃波や騒音となる問題があった。逆にトンネルの出口では、急激な気流の変化で安定性を欠くという側面がある。

また、先頭車両だけが空気の抵抗を受けるのではなく、最後尾まで気流は渦となって影響する。それによって揺れが発生すると乗り心地も悪く、こうした点を改良するべく進化を続けているのである。