Vol. 149
ラッコはいつも使う石を持ち歩いている
ラッコの水槽を見てみると、道具に使う石がそこらじゅうに落ちているようなことは無い。そしてラッコが食事をやめて泳いでいる時に、水槽の底に沈んでいく石も見当たらないのだ。
面白いことに、ラッコはわき腹のたるみに、石や食べきれなかった貝類などを隠し持つ性質がある。ラッコの毛は本数が非常に多く、毛皮としての価値が高かったが乱獲で絶対数が減少した経緯を持っている。そのくらいフカフカした毛に覆われているので、石を隠すことが可能なのかもしれない。
いちいち石を探さなくて良いので合理的だが、メタボリックシンドロームに悩む現代人が、わき腹をポケット代わりに使うことなどできるはずもない。もし可能だとしても、日本人でいうところの箸を、わき腹に隠そうとは誰も思わないのである。