電子レンジの仕組み

Vol. 157
 電子レンジの仕組み

電子レンジの扉には黒い網が張ってあり、中が見えるようになっているのを知っているだろう。それがなければ中の様子がわからないので不便なことこの上ない。しかし、中を見るだけなら何も網をする必要はなく、透明なガラスが一番見やすいのであり、爆発の危険性を防ぐならガラスを厚くしたり強化ガラスを使ったりすれば済む話である。

電子レンジで食べ物が温まる仕組みには、マイクロ波という電磁波が、物体に含まれる水分に作用して熱を発生させる特性が使われている。イメージが湧きにくいが、水の分子を揺らすことで熱エネルギーに転化するのだ。野菜を電子レンジで温める(ゆでる)とき、少しだけ濡れた状態にすることがあるのは、水分が少ないと温まらないからである。

ところがこのマイクロ波は、水分のある物を温めるという特性上、人体に作用すると非常に危険であることは簡単に想像がつくだろう。ガラスを通過するマイクロ波は、電子レンジの扉が透明だと簡単に扉から漏れてしまうのだ。そこでマイクロ波の漏れを防ぐのだが、中が見えなくなると困るので穴を開けており、穴の大きさはマイクロ波が飛び出してこない十分に小さいサイズとなっている。