近眼や乱視など視力が悪い人はアイバンクに登録できないの?

Vol. 178
 近眼や乱視など視力が悪い人はアイバンクに登録できないの?

角膜移植によってしか視力の回復が難しい人のために、アイバンクという眼球のドナー提供を斡旋する機関がある。臓器もそうだが、人によっては死後の体を他の人に役立ててもらえるならと、アイバンクに登録をした人は、平成24年度でも1万1千人を数える。

ところで近眼や老眼など、視力が悪い人はアイバンクに登録できないかというと、全くそうではなく、登録することは可能である。なぜなら、使われるのはレンズの役割をする水晶体ではなく、眼球の表面にある角膜であるからだ。ここに誤解があって、視力の悪い目=ドナーとして使い物にならないというイメージが先行し、目の悪い人は自主的にアイバンクの登録を控えている可能性が潜んでいる。

角膜そのものが傷ついていたり、濁っていたり、細菌に感染していたりと、ドナーとしての要件を満たさない場合を除き、視力とアイバンク登録は関係はないということだ。2万人近い人が角膜に疾患があり、移植を待っている人も毎年数千人はいることを思うと、もちろん自由意志だが、アイバンクへの登録を考えるべきかもしれない。