紅茶よりもコーヒーが好きなアメリカ人

Vol. 188
 紅茶よりもコーヒーが好きなアメリカ人

アメリカに紅茶のイメージは確かにない。元々はイギリスの植民地であるアメリカは、イギリスの影響を受けて紅茶の国であっても不思議ではなく、多くの植民地は、統治国の文化の影響を非常に色濃く受けるものだ。

歴史的にみると、アメリカも紅茶の国であって、少なくとも1773年までそのように考えられている。ところがその年に、アメリカの独立に大きな影響を与える事件が勃発する。

以前から植民地に対する税に対し、イギリス側がアメリカ側(植民地側)の代表を含めずに決定していたことで、アメリカでは大きな反発があった。イギリスはこの反発に対抗できず、茶税を残して税法を撤廃する流れになる。

ところが、この茶税に対しても密輸ルートで逃れようとする人が現れ、イギリスは経営難に陥っていたイギリス東インド会社の茶を独占的にアメリカで販売させようとする。これがまたしてもアメリカの反発を呼び、ボストン港に入港している船を襲撃し、茶をボストン港に投げ捨てるという行動に出る。

この頃の反イギリス活動から、次第に紅茶がコーヒーに変わっていったのが、アメリカのコーヒー嗜好の始まりだとされている。