Vol. 191
犬の顔は本当に飼い主に似るのだろうか?
ペットとしてネコと2大勢力を争うイヌ。人間の血を引いて生まれてくるわけではないイヌの顔が、飼い主に似るという話は一種の都市伝説のようであるが、実際に検証した人がいるのだから驚きだ。
大学での研究によると、イヌと飼い主のペアの写真と、入れ替えた無関係のペアを数百人に見せた場合、どちらのペアが似ているかという問いに対して、実に3分の2もの人が正しいペアを似ていると判定したという結果が報告されている。この研究結果の信憑性は、どちらかの目を黒線で隠したときには、正答率が50%前後まで落ちる点にある。
2つのペアのどちらかから偶然に正解を選ぶ可能性は、等しく50%であるから、目を隠すと実質的には判定できないことを意味しているのだ。これにより飼い主は潜在的に自分の目に似ているイヌを選択しやすいという傾向がわかった。
結論から言えば、イヌが飼い主に似るのではなく、飼い主が自分に似ているイヌを選びやすいという傾向ではあるが、我々の潜在意識による好感は、人間だけではなくイヌにまで及んでいるのである。