地平線近くの月が大きく見えるムーンイリュージョン現象

Vol. 193
 地平線近くの月が大きく見えるムーンイリュージョン現象

地平線の月が大きく見えるムーンイリュージョンと呼ばれる現象については、毎日見られる光景なだけに、歴史的な学者達が多くの説を唱えているが、目の錯覚であると考えられているのが有力だ。大きく見えているのは近いからだと思っていた人は、良く考えてみると違うことに気付くだろう。

月を頭上に見ているとき、月と自分の距離は最も近い。これは太陽の場合も同じで、真上から傾くにつれて距離がどんどん遠くなり、見ることのできる最大の距離が地平線というわけである。勘の良い人ならもう気付いているだろう。月や太陽は、近い時に小さく見えて、遠い時に大きく見えるという不思議な見えかたをする。

当然、月や太陽の大きさは変わっておらず、ましてやほんの数時間ではっきりと大きさが変わっているように見えるというのは、錯覚にでもしないと収拾が付かないのもやむを得ないだろう。