Vol. 210
チロルチョコが10円から20円に値上がりした本当の理由
チロルチョコの歴史は古い。昭和37年(1962年)には、初代のチロルチョコが10円で発売されている。当時から子供にも買えるチョコレートとして10円という値段に決めており、一時はコスト高から価格が改定されたが、小粒化することで再び10円になり、そこから大ヒットが始まった。この時1979年(昭和54年)である。
この当時は、まだ駄菓子屋がかろうじて生き残っている時代で、子供たちは小銭を持って(それでも多くは持っていない)駄菓子屋に通ったものである。10円の人気スナック「うまい棒」が出たのもこの頃であり、当たりくじ付きの10円ガムなどもある時代で、10円という価格は子供たちのマーケットにがっちりと食い込んでいった。
時代は過ぎ、やがてチロルチョコは大型化して20円になる。当時子供だった大人たちは、いよいよチロルチョコも時代の波に逆らえなくなったかなどと話していたが、実はそうではない。個人商店がコンビニにとって変わり、POSシステムによるバーコード管理になると、チロルチョコは小さすぎてバーコードが載らず、仕方なくバーコードが載せられるサイズになったのである。