Vol. 231
常時二足歩行をするのは人間と鳥類だけ
動物の中で二足歩行を常時しているのはヒトと鳥類くらいなものである。それ以外の哺乳類では、ヒトの手にあたる前足を使って四足歩行になる例が圧倒的に多く、足も脊椎も垂直になって直立している状態はヒトだけが為し得る。ヒトは進化の過程で二足歩行で生活する術とバランスを手に入れてきたのだ。
ヒトの祖先が猿(霊長類)であることは良く知られているが、いつからヒトが二足歩行になったかは、多くの議論があり確定されていない。樹木の上で生活していた時から二足歩行を始めていたという説や、住み家である森林が気候の変動によって分散し、平原を移動する必要が生じたからだという説もある。また、チンパンジーの観察から、資源(食べ物)が乏しい状況下では、より多くの食べ物を確保できるように、二足歩行にして両手と口で食べ物を運ぶ頻度が多くなるという結果もある。
いずれにしても二足歩行は進化であるという前提だが、はるか未来の子孫たちは、二足歩行を退化の時代とする可能性だってあるだろう。地球の歴史を線と見ると、我々の生きている時代など、ほんの点に過ぎないのだから。