雪が白く見える理由

Vol. 241
 雪が白く見える理由

白銀の世界というように、雪というのは積もると白く、降りたての真っ白な雪は清らかさすら感じてしまう。しかし、雪の原料はまぎれもなく水であり、水は白くないのになぜ雪は白いのだろうか。

雪は様々な形の結晶となって降ってくる。積み重ねられると結晶と結晶の間には隙間ができ、透明だった雪は光を受けると隙間と結晶によって乱反射する。

ここで色というものを考えてみたい。色とは反射する光のことであり、物質に吸収されず反射された光が混ざり合って目に映る。そう考えると、雪の場合には白い光が反射しているのかというと、光には白という色はない。

光の3原色である赤・青・緑は、全て混ぜると白になる。つまり、雪の白さは全ての光が乱反射によって混ざり合っている状態と考えることもできる。雪と同じような現象はどこでも確認でき、普段は光を透過するガラスも、粉々になってしまえば乱反射を起こして白く見える。透明なもの(例えば氷やプラスチック板)を細かく削るとやはり白く見えるのはそのせいだ。