なぜ?飛行機が飛ぶ原理

Vol. 243
 なぜ?飛行機が飛ぶ原理

飛行機が飛ぶ、変化球が曲がる。全く違う現象だが共通している点があり、それは空気の流れと気圧差の関係だ。飛行機の翼は断面が平らな板ではなく、進行方向に対して少し斜めで、前側は膨らんで後ろ側に向けて細くなっている。

これは翼によって空気の流れが下方向に向くことで、逆の作用として上方向の力を得るためと、翼の上を通る空気を速くして気圧を下げ、下を通る空気の流れを遅くすることで気圧差を生じさせ、気圧が低い方向(つまり上方向)への力を得るためである。この力を揚力といい、鉄の塊である飛行機が飛ぶためには欠かせない力となっている。

揚力の実験は簡単で、紙を水平にして口の前に持ち上側に息を吹きかけると、だらんと垂れた紙が少し上に持ちあがる。紙の上側の気圧が下がるためで、実際の飛行機とは状況が違うが原理としては近いものだ。

変化球はどうだろう。球は回転しているので、進行方向から受ける空気に対して向かっていく回転と、逆に空気を受け流す方向の回転がある。左右や上下で空気の流れる速さが異なるため、空気の流れが速い側に向く力が生じ、球は曲がっていくのである。