心臓の位置はそんなに左寄りじゃない

Vol. 244
 心臓の位置はそんなに左寄りじゃない

大人でも意外と勘違いしているのが心臓の位置で、てっきり左側にあると思っていることから、左肺のあたりに心臓があると考えている人もいる。しかし心臓というのは、どちらかというと真ん中に近い位置にあり、若干左側に寄っているので、一般に左側にあるといわれているだけだ。

胸の真ん中を触ると、胸骨という肉の薄い硬い骨を感じられるだろう。胸骨から左右の肺を覆うように何本も肋骨が伸びて強固なカゴを形成している。心臓は胸骨の下にあり、大切な臓器であるだけに胸骨と肋骨に守られている。大きさは手をグーの形にしたくらいで、それほど大きくないことに驚くだろうか。この小さな臓器から全身に血液を送り出しているのである。

体中から心臓に届いた血液は、体の活動のために酸素が失われた(二酸化炭素を多く含んだ)状態で肺に届けられる。口から空気を吸うことで肺に届いた酸素と、心臓から肺に送られてきた血液中の二酸化炭素が交換され、二酸化炭素は口から吐き出して体外に、酸素を豊富に含んだ血液は再び心臓に送られる。そして心臓から今度は体内に酸素を含む血液を送り出し、また体が血液から酸素を使って二酸化炭素を戻し、心臓へと血液は戻ってくるのだ。