カニが横にしか歩けない理由

Vol. 257
 カニが横にしか歩けない理由

昔からカニは横歩きをする生き物として認知されているが、全てのカニが横歩きしかできないわけではない。中には前に進むことができるカニもいるとはいえ、ほとんどのカニは横歩きしかできず、その理由は関節がそのようにできているからだ。

カニの足には7つの関節があり、足の付け根の3つの関節は比較的稼働領域が広くても、足の中間から先の関節は人間の肘や膝のように一定方向にしか曲げることができない。そのために横歩きしかできなくなっている。

イメージが掴みにくければ、仰向けに寝て膝を立ててみると良い。その状態から膝の曲げ伸ばしだけで体を移動させるには、膝を伸ばして(足で蹴って)頭の上の方向に移動するか、膝を更に曲げて(足で引っ張って)足先の方向に移動するかしかできず、体を横に動かせないだろう。カニの場合には、その足が両側(頭の側にも)に付いているということだ。