フィギュアスケートの滞空時間、浅田真央は0.65秒

Vol. 260
 フィギュアスケートの滞空時間、浅田真央は0.65秒

浅田真央の特徴は、高く飛べて速く回転できることにある。3回転半のトリプルアクセルが4回転を飛べる男子でも失敗するのは、アクセルがフィギュアスケートのジャンプの中で、唯一前向きにジャンプすることにある。半回転を生み出すには前向きで飛んで後ろ向きに着氷しなくてはならないからだ。

その半回転を生み出すのが、浅田真央の高さと回転の速さだ。滞空時間はおよそ0.65秒程度(高さは48cm)で、非力な彼女が全身を使って高く飛び、速く回ることで脚力を補っている。

年配の方なら、20年ほど前の伊藤みどりという選手を覚えているだろう。今の選手でも苦労するトリプルアクセルを、当時ですら可能にしていた。伊藤みどりの脚力は別格で、滞空時間は0.7秒(高さは65cm)というのだから、浅田真央にそれだけの脚力があれば、何回転できるのかと思ってしまうくらいだ。