Vol. 263
大根おろしはおろす大根の部位で辛さに違いが出る
焼き魚に添えられることが多い大根おろし。無警戒にたっぷりと乗せて食べると、強烈に辛いときがあって、いつでも辛いわさびと違い覚悟していないだけに、辛いときは本当に辛い。
この辛み成分はイソチオシアナート(イソチオシアネート)といい、最初から大根が持っているのは、イソチオシアナートの基(前駆物質という)である。ミロシナーゼという酵素と、イソチオシアナートの基が反応して、イソチオシアナートが作られる。それを助長しているのが「おろす」という調理法だ。おろすことで大根の細胞が破壊され、辛みが増すことになる。
大根は部位によってイソチオシアナートの基の含有率が違う。良く知られているように、先端に近いほど多くなり、茎側と比べると10倍にも達するという。子供など辛みが苦手な場合には、茎側をおろすと良い。
先端のほうでも、おろさずに千切りなどで食べると辛みは和らぐが、その場合でも切りかたには注意が必要だ。薄く輪切りにしてから千切りにするのではなく、繊維に沿って縦に薄く切り、それから千切りにする(ここでも繊維の方向に沿って切る)ほうが、辛みを抑えられる。