月にはこれまで生成に関わる4つの説があり、どれも完全に否定はされていないが、逆に多くのことが立証できないために決定的な説が存在しない。それでもジャイアントインパクトと呼ばれる、惑星が衝突した結果だとする説が最有力になっている。
他の3つの説について考えると、1つ目の地球からちぎれたとする説については、月ほどの大きさの衛星ができる巨大なエネルギーが存在したことの説明がつかない。2つ目の地球と一緒にできたとする説と、3つ目の他の惑星が地球の引力に捕まって衛星になったとする説は、地球のマントルとアポロ計画で採取された月の石の組成が近いことの説明がつかない。
では、ジャイアントインパクトによる月の生成が、理論上可能であるかと言えば、シミュレーション上の理想的な結果からは起こりうるという結論は出ている。だが、本当に起こったのかどうかについては、当然誰も知ることができないのだ。月は年々離れていっていることが確認されているから、地球の引力が及ばなくなって遠くへ行ってしまう前に解明して欲しいものである。