クサヤが臭い理由

Vol. 265
 クサヤが臭い理由

初めて臭いを嗅いだ人は、ほぼ間違いなく食べ物として認められないと言われるくらい、クサヤの臭いは強烈で、逆に臭わないならクサヤではない。

クサヤは伊豆諸島の名産品で、クサヤだけではなく干物が多く生産される。塩も特産物だったので、年貢として塩を納めていた経緯があった。ところが干物には塩が不可欠なので、年貢として納めると塩が足りなくなる。

人々は考え、塩水に漬けて干物を作るようにしたが、塩は年貢であるだけに貴重で、塩を節約する目的で塩水を使い回したという。その結果、だんだんと塩水は発酵し、クサヤ独特の風味を醸し出す結果となったのである。