サラリーマンの給与明細に手当てが多い理由

Vol. 280
 サラリーマンの給与明細に手当てが多い理由

同じ給料を貰っていても、異なる会社の給与明細を比べてみると基本給と手当に差があることに気付く。これは一種の経営戦略にもなっているのを知っているだろうか。

基本給が高いと、ボーナスや残業代の単価計算において負担が増大することから、手当に振り分けると人件費の削減になる。同じ賃金でも名目を変えるだけで人件費削減に繋がるというカラクリだ。

賃金のほとんどを基本給にしている会社もたまにはあるが、基本給が高くてもボーナスや、残業がなければ労働者にとってメリットはないだろう。悪質なのは、基本給が求人広告に対するインパクトになることを利用している場合だ。求職者はどうしても基本給を追ってしまい、基本給の高い会社は応募が多く人員の確保が容易になる。

もっと悪質になると、基本給に釣られてやってきた求職者をなるべく雇用し、行政側から補助金を受け取る補助金ビジネスを展開していることもある。補助金のためにはある程度の雇用期間が必要だが、入社してしばらくすると、実質的に高くはない基本給に気付いて自己都合で辞めていってしまう。

こうなると単なるエサとして基本給を設定しているに過ぎず、求職者は利用されているに等しい。社員の回転率が高いほど補助金を多く受け取れる構図である。