動物は鏡に映った自分の姿を自分だと判断できる?

Vol. 282
 動物は鏡に映った自分の姿を自分だと判断できる?

鏡には自分の姿が映るが、それを自分の姿と捉えることができて理解するかどうかは、動物の知能を推し量る上で1つの指標となるそうである。人であっても、乳児ではまだ認識には至らず、幼児と呼べる2歳くらいになって、自分の動きと呼応する鏡像を認識できると言われているので、脳の発達と自己の鏡像認識は関連性があるとされているのだ。

他の動物に鏡を見せた場合、人間に近いチンパンジーはもちろんのこと、ゾウやイルカ、一部の鳥でも判別できると言われている。ただし、鏡というものが日常的に存在する人間と、存在しないその他自然界の動物たちを比べても、確かな結論を得ることは難しいのだろう。

自然界には鏡が無いからと説明したが、少なくとも水を飲みに静かな水辺に集まる動物は、鏡のような水面に口を近づけて水を飲む。そのときは水面に自分の姿が映っているはずで、大多数の動物が自分の姿を水面を通して見ていると仮定すれば、それでも自己の鏡像を認識できる動物が少ないのは、やはり知能の差という結果なのかもしれない。