司法試験と公務員の上級試験はどっちが難しいの?

Vol. 286
 司法試験と公務員の上級試験はどっちが難しいの?

職能として受ける試験の中で最難関とされるのが、司法試験と国家公務員の上級試験(一種試験)である。司法試験については、法曹界(裁判官、検事、弁護士)に入るための第一歩なので、法律について高い専門性が求められる試験であり、国家公務員一種試験は、日本の行政を担うトップの省庁へ配属される、いわゆるエリート官僚への道になるからだ。

司法試験も国家公務員一種試験も、制度改革により時代によって内容は異なっているが、特に司法試験については以前は、年間500人程度と少なかった。そしてその500人は何回も受験してようやく合格する試験浪人が普通であり、司法試験というのは難易度の高さでは類を見ない。

ところが、司法試験は法曹界の人材の拡充を図るため、制度が改革されて現在は2,000人程度の合格者がある。だが、受験資格である法科大学院卒か司法試験予備試験合格を満たすだけでも大変な道である。

一方、国家公務員一種試験というのは、概ね東大、京大、有名私立大学の法学部が主流で、こちらも一握りの人しか合格しない。更に合格すれば省庁から内定がもらえるかというとそうでもない。試験だけなら司法試験のほうが専門性が高く難しいとされているが、国家公務員一種試験には広い出題範囲と内定という難しさがあって甲乙つけがたい存在となっている。