Vol. 287
スイスのピラトゥス鉄道は世界最高の勾配鉄道
鉄道の世界では、勾配のことをパーミル(‰)という単位で表し、これは1000mに対し何メートル登っているかを表す。なじみのあるパーセント(%)を使うと、ゆるい勾配が全て少数表示になって都合が悪いので、パーミルが使われている。
日本の登山鉄道においては、大井川鉄道(正確には大井川鐵道)井川線が、90パーミルという勾配で、自力走行の普通鉄道としては日本最高だ。ただし、ラック式(車輪が歯車のようになっていてレールも歯型が付いている)である。90パーミルのイメージがつかみにくいが、100mで9mの勾配なので、10m先が90cm上がっている坂をイメージすると良い。
圧巻なのは、スイスのピラトゥス鉄道で、なんと480パーミルにも達し、自力走行の普通鉄道で世界最高である。10m先が4.8mも上がるのだから、1m先で48cmにもなる。想像しただけでもいかに急であるかわかるはずだ。