硬式テニスボールはなぜ黄色なのだろう?

Vol. 307
 硬式テニスボールはなぜ黄色なのだろう?

以前は白いテニスボールで公式大会が行われていた記録がある。しかし、白は必ずしも見やすい色ではなく、様々な色が試され、結果的に蛍光色に近い黄色が選ばれた。

赤い系統の色は膨張色といって実際よりも大きく見え、青い系統の色は収縮色といって実際よりも小さく見える特性があり、これは近づいて見えたり遠くに見えたりという作用を起こす。これが高速のボールを打ち返すテニスというスポーツには余計で、色の影響が少ない黄色が選ばれたという。

ただし、色と視認性というのは、背景の色にも関係してくる。テニスコートが黄色いとボールの着弾を見失うことから、多くのテニスコートは黄色とは違う色だ。芝のコートであっても、空中にあるボールが視認できるように、スタンドやフェンスの色は工夫されている。