なぜ天の川にはたくさんの星が集まっているのか

Vol. 317
 なぜ天の川にはたくさんの星が集まっているのか

都会では照明の関係ではっきりと見えることは少ないが、星の絨毯といっても良いくらい天の川にはとても多くの星が見える。見えるということはその方向に星が多くあるからなのだが、なぜ集まっているのか、なぜ一部分だけなのか不思議に思うだろう。

地球を含む太陽系は、銀河系という星の集まりの端のほうにあるほんの一部に過ぎない。銀河系の形を説明するのは難しく、簡単な例を用いるなら、どら焼きが全て星だと思えば良い。どら焼きを端から一口だけ食べて見えた部分くらいの位置に、地球や太陽がある。

仮に、一口食べたどら焼きの見えた部分に自分が立っているとしよう。当然ながら舞台は夜で、まわりのどら焼きの皮や餡は全て星である。辺りを見渡すと、最も星が多く見えるのは、どら焼きの中心部分を見ているときだ。上方向も下方向も薄い皮しかないが、中心部分には餡がぎっしり詰まり、餡の向こう側の皮まで考えると、とても多くの星がある。

もうわかったと思うが、これが天の川の正体である。大きなスケールで考えると、地球の周りには星は一様にはなく、銀河系の中心方向は星が多いので、空の一部分に星が集まっているように見えるのである。