Vol. 323
ホタルとホタルイカはどっちの光が明るいの?
富山湾の春の風物詩とくればホタルイカで、ホタルイカはなぜか富山湾に大量に集まり、きらきらと海面で光るその姿はとても幻想的だ。この様相は国の天然記念物でもあり、地形や生物単体ではなく、様相が天然記念物に指定されている珍しい例である。ホタルイカが指定されていたら、今のようにホタルイカは食べられない。
ホタルイカのホタルは、言うまでもなく暗闇で光る昆虫のホタルで、両者の発光メカニズムは同じものと考えられている。しかしその光の強さは全く異なり、ホタルイカのほうが断然強い。それでも本を読めるかというとまた別の話で、ホタルイカが1匹いるくらいで本が読めるような光は持っていない。
そうなると、どちらも本は読めないということになるが、何といってもホタルイカの集団は、ホタルの集団よりも遥かに数が多いので、数を集めれば何とかなると考えるだろうか。ところがそう簡単にはいかず、ホタルイカは全身発光ではなく腕の2本が発光する。そして発光した腕を文字の上に動かないようにするなど、生き物であるホタルイカは許さないのだ。ただし、大きな文字なら腕が文字の上に来たときに読めるレベルの光は持っている。