3Dの映像が立体的に見える仕組み

Vol. 324
 3Dの映像が立体的に見える仕組み

かつて映画で3D映像が使われるようになってから、途端に家電やゲーム機などに普及が進んだ経緯がある。各社こぞって3Dを謳い文句に製品を開発したが、爆発的な普及にまで至らなかったのは3Dメガネを必要とする点にもあるだろう。それでも臨場感あふれる立体的な映像に魅力を感じ、映画館で3D映像を楽しむ人は多くいる。

3D映像の実現には難しい技術が使われているが、原理はとてもシンプルである。よく、片目では遠近感が失われるというように、人は両目を使って見ることで物体の立体感を把握している。右目と左目の映像が違うことは、目を交互に閉じて同じ物体を見るとわかるだろう。右目で見た映像と、左目で見た映像にはズレがあり、両目で見たときは脳が2つの映像を合成しているのだ。

この左右の目に映る像のズレがなければ3D映像も成り立たず、逆に言えば、ズレた映像をほぼ同時に片方ずつの目に見せれば、脳で合成されて立体的に見えるという理屈である。しかし1つの画面で2つのズレた映像を見せるのは単純ではなく、スクリーンでは高速で片側の映像を交互に切り替え、メガネ側でそれを片方の目に見せるという方法で行われている。