なぜ?船が水に浮かぶ原理

Vol. 341
 なぜ?船が水に浮かぶ原理

船が水に浮かぶ理由には、浮力という力が関係している。文字通り浮く力であり、その力は押しのけたられた水(水中に沈んでいる部分の体積)の重量に等しい。何やら難しい話に思えるだろうが、お風呂で体が軽くなるのは、お湯に浸かっている体の分だけ浮力によって下方向から押されているためである。

例えば料理に使うステンレスのボウルは、中に水が入らないようにすれば浮かぶ。現実にはできないが、仮にステンレスのボウルを怪力で丸めてしまえば簡単に沈んでしまう。船をくしゃくしゃに丸めて鉄の塊にすれば浮かぶことはないが、ボウルのように空気が中に入っていると浮かぶことが可能だ。その違いは大きさに対する重さ、つまり密度に関係している。

「空気が入っているから」とはどういうことだろう?多くの人は空気の方が水より軽いからと考え、それで正解なのである。空気の方が水より軽いとは、即ち空気の方が水より密度が小さい事と等しい。

船の材料である鉄の密度は大きいが、沈んでいる部分の内側にある空気の密度が非常に小さいために、足すと全体で水よりも密度が小さくなり浮く。ボウルでも船でも中に水が入っていくと空気が減るので、全体の密度が水より大きくなり沈んでしまうのである。