縁起熊手の意味・由来

Vol. 355
 縁起熊手の意味・由来

全国の寺社で行われる酉の市(11月の酉の日)では、縁起熊手といって、熊手に縁起物の神様や鯛、招き猫などをあしらったものが境内の露店で販売される。熊手を縁起物として、無病や商売、安全などを祈願するために使われる。

熊手はには、潮干狩りに使うような小さなものを別として、元来農具として、また掃除用具として古来から使われていた。土をならすために、枯葉や草を集めるためになど、熊手は何かと使い勝手が良い。その「かき集める」ための道具が、運をかき集めるとして熊手への信仰に繋がった。

縁起熊手には飾りがついているため、当然道具としての役割を持たないが、決められたルールがある。それは大きさで、徐々に大きな熊手にしていくのが良いとされる。熊手の大きさが願掛けの大きさに繋がるのなら、大きいものを選びたくなるが、翌年が今年よりも良い年であるためには、それ以上の熊手になるので、最初から大きいとしまいに巨大になってしまう。早い話が身の丈にあった熊手から始め、順調なら次は少しだけ大きな熊手にする慎重さが、実生活にも重要だということである。