Vol. 361
なぜ?一晩寝かせたカレーが美味しくなる理由
晩ご飯に作ったカレーを次の日に食べると、美味しく感じるのは個人差があるようで、知らないで食べ比べると大差ないという話もある。それでも、明らかに美味しいと感じる人は多くいるのだから、やはり何か変化していないと納得がいかない。
野菜や肉を煮るという行為は、素材の組織を破壊しているのと一緒で、その結果軟らかくなる。煮る過程において、素材から出ていくものはあっても表面にしか味は入っていかない。冷める過程において、初めて味がしみ込んでいくのは、煮物では常識的に知られているように、カレーでも同じことだ。
煮る過程が数十分で済むのに対し、味がしみ込むためには数時間を要する。だからこそ、一晩という長い時間が必要になり、その間に適度に水分も抜けていくことで、凝縮されたカレーのできあがりだ。一晩待てないなら、ある程度冷ましてから温め直して食べても効果は見られる。
ただし、寝かせたカレーは、カレー粉などスパイスの風味という点では、マイルドになって劣ってしまうので、それが個人差に繋がっているのかもしれない。