Vol. 363
寒いときに震えるのは体に熱を発生させるため
この震えるという現象は、寒いときに起こることでもわかるように、熱を発生するための大切な機構だ。寒い場所に行くと人間は体温を下げ過ぎないように放熱を減らすため、血管が収縮して血流が悪くなる。放熱は皮膚から起こるので、血流の低下による影響は末梢に顕著に表れ、手足の先が冷たくなっていく。肌が白くなるのもそのせいで、頬のように赤くなる場所は逆に血流を増やして冷え過ぎないように調整しているのだ。
普段から体温の維持は筋肉から発生する熱に頼るが、通常は筋肉を動かすと何らかの運動に変わるため熱をロスする。しかし、震えによる筋肉の動きは、運動に変わらないので確実に熱を最大限得られるようになっている。たかが震え1つ取っても、色々と体は工夫して生命を維持しているのだ。