世界に誇る透明度を持った湖が日本にはあり、それが北海道の摩周湖だ。霧が掛かって湖面が見えなくなる情景が有名で、昭和中期には歌としてヒットしたことから認知度が高まった。
その摩周湖の透明度は2004年において19m。計測が始まったのは1917年のことで、1930年には41.6mという透明度で世界の頂点に立つ。しかし、そこから水質汚染が顕著になって、徐々に透明度は下がりつつある。
湖の透明度を計測する方法は単純だ。セッキ板(名称の由来はイタリアの天文学者)と呼ばれる白い円盤を湖面から沈め、肉眼で確認するだけである。この方法は、どのようにしても計測者による誤差が生じ、特に見えなくなる境界付近の深度(つまり透明度)においては、計測者の主観が入るかも知れず正確ではない。それでもこの方法は現在でも使われている。
摩周湖の場合、流入する河川がなく、水源は湧き水になっている。大雨が降れば当然山の斜面から水が流入するといっても、河川によって土砂が常時流入する環境ではないことが、高い透明度を保っている理由である。