馬の顔が長い理由

Vol. 385
 馬の顔が長い理由

馬の顔が長いのは、人間と違ってその食生活にあると考えられている。人間は植物に含まれるセルロースという炭水化物を分解できず、エネルギー源を植物の実である穀物に頼らざるを得ない。馬の場合には草が主食なので、草を噛み砕き、細かくすり潰すために臼のような歯が必要になる。その歯はどうしても大型化していき、従って顔が長く発達したと考えられている。馬は牛と違って胃が1つで、反芻という噛み直す行動もしないため、口で十分に噛み砕かないと消化できないのだ。

また、馬の持つ高い運動能力の実現には、酸素を十分に取り込む必要がある。馬の肺活量は人間の10倍以上で、顔が長いことは、外気を大量に取り込んでも長い鼻によって温められて肺に送られることでも都合が良い。