バラのトゲは、根本的になぜあるかという点について解明されていない。推測の域を出ないが、蔓状に伸びるバラにとっては、成長の過程において引っ掛かりを良くし、自らを支える用途として、または、外部からの攻撃に耐えるためと考えられている。生まれたてのバラであってもトゲを持っているのがその理由だ。
園芸が盛んなバラにおいて外敵というのは考えにくいが、原種(野生種)において、草食動物に食べられないための防御になることは想像にたやすい。しかし、女性を形容するときにバラをたとえに出すのは一長一短である。美しい花だけに褒め言葉のように思えるが、その反面トゲの持つネガティブな要素も暗に含まれているため、世の女性たちは素直に喜べないのである。