駐車違反の車にぶつけたら弁償しなくてはいけない?

Vol. 398
 駐車違反の車にぶつけたら弁償しなくてはいけない?

残念ながら、駐車違反の車にぶつけてしまっても、駐車違反の車が悪いということにならず、器物損壊という扱いで駐車違反より重い罪になってしまう。駐車違反をしていなければぶつけなかったという理屈は通用せず、駐車違反と器物損壊罪は全く別のものである。

これは、何も公道上の駐車違反だけではなく、私有地において無断駐車をしている車に、例えばタイヤの空気を抜いたり、張り紙を糊づけして剥がれないようにするなど、何か手を加えるような行為であっても同じだ。残念ながら、日本の法律では他人の所有物を傷つけて良いという正当な理由が見当たらない。

腹立たしい限りだが、やはりぶつけた側が悪いのである。ただし、明らかに駐車違反の車が悪くてぶつけてもおかしくないほど、通行の邪魔になっているのであれば、駐車違反をした側もタダでは済まないだろう。普通は、駐車している側に落ち度があれば、損害賠償の過程において示談が行われ、加害者が全てを賠償するようなことにはならないのである。