Vol. 414
インドの満員電車は毎年死者が出る
満員電車のドアから人がはみ出して、駅員が押している様子は、もうすでに乗客という扱いではなく、旅行のときにバッグに大量の服を詰め込むときのような状況で、中の人は身動き一つ取れない。決して大げさではなく、混雑率が200%を超えると、乗っているというよりは押し込められる感覚である。
世界的にみても東京の電車の混雑ぶりは異常で、1300万人の東京都で交通網が発達していてもこのありさまだ。1800万人が住むというインドのムンバイでは、それ以上に人が乗り過ぎて車両内に収まりきれず、体を乗り出したり列車につかまったりして移動する。
問題になっているのは、あまりにも乗客が多すぎて列車から落ちてしまい、毎年死者が出ることだ。東京でこんな状況なら大問題だが、インドではそれでも改善されないというのだから、移動するのも命懸けなのである。