利き手というのは日常生活において、中心的な役割をするのでわかりやすい。利き足はボールを蹴るほうの足といわれるが、皆にサッカー経験があるわけでもなく、先に踏み出すほうの足や階段を上るときの第一歩の足など、無意識下で先に使用する足だとされている。しかし、わかりにくいのは利き目と利き耳だ。
まず、利き目のほうは、2つある目のうち漠然と注視する目が利き目だとされる。何のことだかわからなければ、手を顔の前方に伸ばして指で小さな輪を作る(片手でも両手でも可)。輪の中から遠くの何かを対象に両目で見る。利き目は意識しなくても対象を注視するため、交互に片目を閉じると、指で作った輪がズレるだろう。そのズレの小さいほうが利き目である。
利き耳の場合、電話を聞くときの耳とされるが、ほとんどの右利きの人は、ペンで文字を書けるように左手で電話を持つ習慣があり左耳で聞きとる。そのため、利き耳は単に習慣付けのように思えるが、中には左手で持った電話を右耳にあて、右手で文字を書く人がいる。わざわざ不便な行動をとるこのような人は、間違いなく右耳が利き耳だ。利き耳は手のようにはっきりとしたものではなく、明らかに左右で違いがある人だけに存在すると考えられている。