Vol. 434
ハーモニカ、吹いて出す音・吸って出す音
以前はハーモニカを小学校の音楽教育で取り入れていたが、いつの間にか鍵盤ハーモニカに置き換わって久しい。吹く・吸うを繰り返すハーモニカよりも、吹くだけの一方向で、目に見える部分で音色が変わる鍵盤ハーモニカのほうが指導しやすいのも理由の1つだろう。
ところでハーモニカは、吹く・吸うを音階によって使い分けて演奏する。ドとミとソは吹いて音を出し、レとファとラとシは吸って音を出す。気になってしまうのはラとシが続けて吸う点だ。
しかし良く考えてみると、交互に吹く・吸うを並べると、ドレミファソラシの7音では、初めのドが吹くのに対し、1オクターブ上のドは吸うことになってしまう。オクターブ上で逆になるということは、オクターブ下でも逆になるということなので、非常に演奏しにくい。
そこで、ドを吹くと決めた以上は、他のドも全て吹いて出せるようにシは吸うと決められた。また、ドミソやレファラのような和音が吹いたり吸ったりするだけで出せるのも、交互に並んでいることの効果で都合が良い。