お腹の音が鳴る仕組み・メカニズム

Vol. 445
 お腹の音が鳴る仕組み・メカニズム

お腹の音が鳴るメカニズムの鍵を握るのは脳である。日常的に起こるお腹が空くという現象は当たり前のことであり、健康な人は体にとって危機的な状況であることを意識しない。しかし、脳が意志と無関係に胃に指令を出すほど、空腹によって血糖値が下がった状況は、実は生命活動の維持ができないかもしれないという危険な状況だということを知っておきたい。

脳から指令を受け動き出した胃は、次なる器官である腸へと胃の内容物を送り出す。空腹であるから胃には食べ物は少なく、空気の占める割合が多い。この時、ゴムのように柔軟な腸は空気によって震え、それが音となって響き渡る。

ちょうどゴム風船を膨らまして放った時に、中の空気が無くなり失速して落ちる間際の、風船の入口が震えて鳴る濁った音が、体の中で起きていると思えばイメージしやすいだろう