沸点(100℃)を超えても沸騰しない水

Vol. 454
 沸点(100℃)を超えても沸騰しない水

お湯を沸かすと沸騰する前からポコポコと泡が立ち始めるが、この現象は水温の上昇によって溶けきれない気体が泡となって出てくるものである。沸騰の過程を良くみて見ると初めは小さな泡だったものが、次第に大きくなって沸騰していくのがわかる。

沸点(水なら100℃)を超えても沸騰しない状態を過熱(加熱ではなく過熱)といい、過熱状態を作りだすためには、沸騰のきっかけとなる小さな泡が起きにくい方法で加熱すれば良い。非常に低い火力で混ぜずに加熱する(ただし冷える方が早いのでは意味が無い)、急激に過熱する(沸騰する間もない)といった方法がある。

また、どのような方法であっても、過熱状態の水(お湯)を作りだすのは非常に危険である。過熱状態では、何らかの衝撃によっていきなり沸騰が始まり高温の液体が飛び散ったりするからだ。

急な沸騰を突沸といって、突沸事故は手間と時間を短縮するための、電子レンジによる液体の加熱でも見られる。突沸の注意書きがあっても利用者が読んで理解していることは少なく、温め過ぎに気付かない場合が多いからである。