なぜ生卵は電子レンジでチンすると爆発するの?

Vol. 469
 なぜ生卵は電子レンジでチンすると爆発するの?

経験したことがある人は少ないかもしれないが、生卵を電子レンジで温めると爆発して非常に危険な事態が発生する。これは電子レンジが物を温める原理と、卵という殻に覆われた物体の特性によって引き起こされる現象で、電子レンジで温めてはいけない物の1つとして生卵は必ず上位に来るほど有名だ。

爆発の理由は至ってシンプルで、お湯で茹でるときのような外部からの熱によって徐々に卵を固めるのとは違い、電子レンジは物体そのものの分子を揺らして熱を発生させるので、中からも温まってしまう。その時、黄身の中の水分が沸騰し始めるが、殻があるので外に飛び出せずどんどん内圧が高くなっていく。しまいには殻を突き破って爆発に至るという過程である。

正確には圧力と沸点の関係もあるのだが、大切なのは温度だ。水分は100℃で蒸発を始めるので原理的には100℃を超えないようにすれば爆発は起こらない。お湯なら100℃以上にならないが、電子レンジでは物体を100℃以内にするというような高度な温度調節機能は無いので、生卵を茹でるには適さないということである。