人間の体内時計はどこにある?

Vol. 478
 人間の体内時計はどこにある?

人間は黙っていてもずっと起きていると眠くなるし、いつまでも寝ていることはできない。お腹がすくのは、摂取カロリーの影響を受けるので定期的ではないが、体温も1日の間に変化している。これらの働きは、一般に体内時計による作用と考えられており、実時間とは別に、体内時計の作動によって一定の周期で行動するようにできている。では体内時計はどこにあるのだろうか。

体内時計があるのは人間だけではなく、大抵の生物には体内時計が存在する。例えば太陽が昇ると花が咲くイメージのアサガオは、実際には暗くなってから9時間から10時間後に咲くので、暗い室内に移動しても、時間がくれば咲く性質を持っている。アサガオでは闇を基準として体内時計を働かせているというわけだ。

人間の場合、体内時計という特別な器官があるわけではなく、体細胞には体内時計の遺伝子を持っており、それを司るのは脳にある視交叉上核(しこうさじょうかく)という部位である。よって体内時計は脳にあるといっても過言ではなく、場所でいえば両耳の中間付近なので、脳の中でカチカチと音を立てている体内時計を想像してみると良い。