なぜ?男の子が思春期に声変わりする理由

Vol. 496
 なぜ?男の子が思春期に声変わりする理由

男女ともにあるが、男性に顕著に現れる声変わりは、思春期を迎える中学生頃に起きることが多い。この頃は第二次性徴期といって、体の器官の多くが大人になる時期であり、声変わりの後は喉仏が出てくるように、より男性的に変わる特徴的な期間だ。

声変わりと呼ばれる理由は、成長とともに声帯が約2倍に伸びて声が低くなることにある。声帯の振動数が声の高さとなる性質上、声帯が伸びると振動数が減ることの結果だ。ギターでフレットと呼ばれる弦を抑える場所を変えて、弾く弦が長くなるようにすると音が低くなる理屈と同じである。

さて、この声変わりだが、なぜ起こるのかというのは良くわかっていない。恐らくは声が低く(太く)なるという結果が、異性を惹きつけるような動物としての、生態的な役割を持つとも考えられているが証明されていないのだ。

男性の太い声には、力強いイメージと好感を持たれやすいという実験もあるが、生まれた時から太い声=声変わりをした大人という環境で育った人に、いくら実験をしても先入観が邪魔をするし、単に嗜好の違いかもしれないのである。