ガス湯沸かし器の仕組み

Vol. 499
 ガス湯沸かし器の仕組み

ガス湯沸かし器が登場してから、お湯は一気に身近に利用できる存在になり、炊事やお風呂では欠かせないアイテムの1つになっている。それまではお湯は沸かすものであり、お風呂も水をためて灯油や薪の火で沸かすのが当たり前であった。必然的に不便で燃料代の負担も大きく、銭湯が庶民の憩いとなっていた時代である。

瞬間湯沸かし器の異名を持つガス湯沸かし器だが、やかんでお湯を沸かすと時間が掛かるのに比べてお湯が出るまでの時間は圧倒的に短い。お湯の蛇口をひねると、既に蛇口付近まで来ている水が冷たいのは仕方がないとして、1分以内にはお湯と感じる温度になるだろう。

不思議に思うかもしれないが、やはりガス湯沸かし器もお湯を沸かしているのだ。ガス湯沸かし器の場合には、一度に大量のお湯を沸かすのではなく、熱交換器と呼ばれるたくさんの細い管に水を通し、管をガスバーナーで温めている。管を通過する水の量に対して温めるエネルギーが非常に大きいので、蛇口に送られるまでにはお湯に変わっているのである。