三毛猫はほとんどがメスでオスはめったにいないのだ

Vol. 507
 三毛猫はほとんどがメスでオスはめったにいないのだ

ネコ好きなら知っているかもしれないが、飼いネコでも野良ネコでも良く見かける三毛猫にはオスがいない。正確にいうならオスの可能性は非常に低く、三毛猫のオスはそれだけで昔から珍重されるほどの価値を持っていた。

三毛猫にオスがいない理由は、毛の色を決める遺伝子に原因がある。三毛猫は黒・白・オレンジの3色からなり、オレンジ遺伝子の優勢と劣勢の両方を持っていなければならないという特徴がある。しかし、それだけ聞いても何のことか良くわからないだろう。

人でも同じように、ネコであってもオスはXY、メスはXXの染色体型を持つ。そしてオレンジ遺伝子は、X染色体にしか存在しない。このことから、オスはオレンジ遺伝子(X染色体)を1つしか持てないので、優勢と劣勢の両方が必要な三毛猫の条件を満たさない。メスはXXという染色体型からオレンジ遺伝子を2つ持てるので、優勢と劣勢の両方があると三毛猫になるのだ。

極めて貴重と説明したオスの三毛猫の場合、XXYなどの染色体異常によって生まれ、オレンジ遺伝子の優勢と劣勢の両方を持っている。